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使途不明金発覚時の対応とは

こんにちは。永原法律事務所代表弁護士の永原です。
今回は、相続時に「使途不明金」が発覚した場合に、どのように対応すべきかを解説いたします。相続において財産の使途が不明な金額があると、相続人同士でのトラブルが生じやすくなります。このような問題は、できる限り早期に適切な対応をすることが非常に重要です。
この記事では、使途不明金が発覚した場合の具体的な対策について詳しく説明していきます。

使途不明金が相続で発生する理由とは?

相続における使途不明金とは、遺産が減少しているにもかかわらず、その使途や支出の詳細が明らかになっていない金銭を指します。
例えば、被相続人の預金口座から多額の資金が引き出されているにもかかわらず、その用途が不明な場合などが典型的です。
使途不明金が発生しやすいケースには、以下のようなものがあります。
・被相続人が認知症などにより支出の記録を残していなかった場合
・特定の相続人が財産管理をしており、無断で使用または着服した疑いがある場合
・医療費や生活費といった正当な支出でも、領収書等の証拠がなく疑念が生じている場合
こうした場合、公平な遺産分割が困難となり、協議が停滞するリスクが高まります。

使途不明金の調査方法と初期対応

使途不明金が疑われる場合、まずは被相続人の金融機関の取引履歴を確認する必要があります。
相続人であれば、通常、金融機関に申し出ることで直近10年分の取引明細を開示してもらうことが可能です。
取引履歴や通帳の記録を精査し、実際に使途が不明な支出があるかを確認しましょう。
この際には、弁護士などの専門家の助言を受けることで、効率的かつ客観的に調査を進めることができます。

遺産分割協議での使途不明金に関する対処法

使途不明金の存在が明らかになった場合、遺産分割協議ではその取り扱いを明確にする必要があります。
まずは、使途が不明となった具体的な状況を把握するため、財産を管理していた相続人や同居していた人物に事情を確認することが重要です。たとえば、特定の日に多額の資金が引き出されていた場合、その目的を確認します。

① 生前に発生した使途不明金の場合
被相続人による生前贈与であれば、不正な出金とは言えませんが、場合によっては「特別受益」として遺産に持ち戻し、分割対象に含める必要があります。
一方で、使途不明金の存在を否定したり、合理的な説明がなされない場合には、不当利得返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求を検討することもあります。
その際には、被相続人の当時の健康状態や認知機能、介護状況などの情報も調査し、必要であれば行政機関や金融機関などから追加資料を取り寄せることが有効です。

② 相続開始後に発生した使途不明金の場合
相続開始後の出金についても、葬儀費用や医療費、未払税金などの正当な支出であれば、遺産分割時に負債として考慮されることがあります。
しかし、こうした支出について説明がなされない場合や金額が不自然な場合には、①と同様に法的請求を検討することになります。

①②のいずれも、協議が難航する場合には、専門家への依頼や家庭裁判所での調停を検討するのが適切です。

使途不明金の解明が困難な場合の法的対応

使途不明金があるからといって、すぐに他の相続人を疑うのではなく、まずは冷静に事実関係の整理を行うことが大切です。
領収書や記録が残っているか、使用目的に妥当性があるかなどを検討し、整合性が確認できれば、それ以上問題とする必要はありません。
しかし、説明がつかない支出が多額にのぼる場合や、相続人間での解決が困難な場合は、相続問題に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
弁護士は必要に応じて法的手続きに移行し、使途不明金についての説明を求めたり、返還を請求する対応が可能です。

相続人が注意すべき使途不明金対策と予防策

ここまでは、使途不明金を疑う側の視点からご説明しましたが、次は「使途不明金と疑われないための予防策」についてお話しします。
相続人が財産を管理する立場にある場合には、以下のような対策が有効です。
・領収書や記録を残し、支出の内容が説明できるようにしておく
・家計簿などで日々の支出を記録する
・相続人間で定期的に財産状況を共有する習慣をつける
・被相続人が元気なうちに、財産管理の方法について話し合っておく
こうした対応を日常的に心がけることで、相続発生後のトラブルを未然に防ぐことができます。

使途不明金問題を放置するリスクと早期対応の重要性

使途不明金の問題を放置すると、相続人間の信頼関係が損なわれ、最終的に裁判に発展するリスクがあります。
また、時間が経つほど証拠が失われやすくなり、事実の確認が困難になります。問題が発覚した段階で迅速に対応することが、トラブルの長期化を防ぐ最善の方法です。

永原法律事務所の無料相談で使途不明金問題を迅速に解決

使途不明金に関する問題でお困りの方は、永原法律事務所の無料相談をご利用ください。当事務所では、相続問題に精通した弁護士が迅速に対応し、複雑な使途不明金問題を解決するための具体的なアドバイスを提供しています。
相続手続きにおいて使途不明金が発覚した場合は、ぜひ当事務所にご相談ください。早期対応が、問題解決の鍵となります。

  1. 相続の生前対策について

  2. 遺言書の書き方について

  3. 使途不明金発覚時の対応とは

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